引越録2023年9月

仕事も太陽も忙しくなる9月に、突発的に引っ越しを始めてしまった。クーラーのない真夏、冷蔵庫・洗濯機のない生活はまさに「大自然」というべきで、いろいろな教訓を得ることができた。そんな真夏の無謀な作戦の一部始終を書き残したいと思う。

夏

引っ越し先は都内の某所にある3階建ての戸建てだ。マンションを選ばなかったのは、音楽を大音量で楽しむためだった。不動産屋から聞いた話では、すでにエアコンは2階に設置されているということだったので、机とベッドだけを運び込むことにした。所持していた大量の鞄や洋服は、一部を処分したり手元に残したりしたが、新居には一つも持ち込んでいない。心機一転ミニマリストになったのだった。

思い返してみると、物件契約にあたり、内見をしていないのがまずかった。何かの手違いで、あるはずのエアコンが取り外されていたのだ。それに気がついた頃には、仕事道具の運び込みは終わっていた。本当の夏が始まった。

自然

つまり私史上、自然に最も近い生活を始めることになった。なんだかロマンのある響きだったので、どんな悟りを開けるのかという期待が胸を満たしていた。「地球に優しそうな生活じゃないか。」勿論だが、地球は人間に優しくない。摂氏30度と聞くと耐えられそうだが、実は空調のない家を30度で温め続けるとサウナを作ることができる。昼間に外出をしてみると、外の方が涼しいのには流石に驚いた。つい最近エアコンの故障した部屋で寝てしまい、その後死去してしまった親戚の話を思い出した。エアコンを注文した。

金次第

エアコンを１〜２日で取り付けることはできない。と思われがちだが、地獄の沙汰ということで、お金を積んでみることにした。まず本体はAmazonか何かで注文をする。これ自体は特に時間がかからず、暑さで意識が飛んでいるうちに家にエアコンと室外機がやってきた。注文から16時間である。次に業者に連絡をするのだが、どこに連絡をしてみても、案の定予定が詰まっていて、すぐには工事ができないという。そんなはずはない。

１万円を渡すと伝えると、なんと当日作業を請け負ってくれると返答が来た。そんな声色を変えて喜ばれると、こちらもつい嬉しくなってしまう。

結果として、思い立ってから24時間以内にエアコンがついた。地獄に落ちた時のために、貯金をしておこうと思った。

ジャイアントパンダ

家電選びも難航した。都心の３階建は、家電をそのまま入れられるほど搬入経路が広くない。

どうするのかといえばクレーンや人力で窓から搬入をするのだが、これがまた業者の手配が難しい。搬入作業自体を請け負う業者も少ない。私が思いつきで注文した（それも、一番大きいサイズではないもの）冷蔵庫ですら、階段からの搬入は厳しかった。私が新居に選んだ家電の画像を貼っておこう。

デカすぎる。

比較的小さいものを選んだはずなのに、明らかに大きい。洗濯機は無事に階段から２階に搬入できたが、冷蔵庫はどうしても厳しかった。窓から搬入することができる業者に連絡をしてみても、殆どスケジュールが埋まっているか、そもそも対応をしていない。冷蔵庫が無い生活を4日ほど過ごしていて心が削れているので、兄に助けを求めてみたところ、兄が経営する会社の人員を3名手配し、人力で2階の窓から搬入した。ところでジャイアントパンダの体重は100kgほどらしい。この冷蔵庫は100kgをゆうに超えている。人力で2階の窓から搬入した…？

そのほか、買ったものの感想や些細なこと

ルンバ

良い機会なので、ルンバを買ってみた。ブラーバと合わせて1セット25万円とちょっとなので、ひとまず使用頻度の高い2, 3階用に購入し、朝8時に清掃をさせている。このおかげでQoLがかなり高まった。

掃除性能はもちろん悪くないが、朝に起きる習慣ができたことが一番ありがたかった。ルンバ（の発する音）に強制的に起こされるので、今までは崩れがちだった生活習慣も、かなり安定したものになってきた。音が怖いので、最近では7時半ほどに自動的に目が覚める。ルンバは恐ろしい。

床にものを置かないようにもなった。ルンバのために空間を維持するのは本末転倒に思えるが、これがむしろ空間の広さを維持できるので、とてもありがたい習慣になっている。

掃除機

買って気がついた。ルンバがいるのでほとんど出番はない！！！

オフィスチェア

彼女が転職をし、リモートワークが増える見込みがあったので、ダイニングチェアの代わりにオフィスチェアを購入した。元々エンボディチェアを使っていたのだが、これは彼女が使うことにし、私は（気分で）アーロンチェアリマスタードを選んだ。座り心地はもちろん良い。どちらを選んでも満足すると思う。

自宅に2人の仕事場を作った。それぞれの席にStudio Displayを1つずつ配置する形で、リモートワーク環境としては悪くない環境になっている。私は近々Pro Display XDRを2枚買うので、余ったStudio Displayは彼女のデュアルディスプレイ環境に役立たせる予定になっている。

洗濯機

以前購入したドラム式洗濯機は、使用するたびにフィルターの手入れをする必要があるので、今回はその手間のないものを選んでいた。が、ドラム式でも、フィルターの手入れ頻度がかなり抑えられているものを見つけた。日立のドラム式洗濯機だ。

これは現状、すごく満足度が高い。使用するたびに洗剤を入れなくて済むし、シワも消え、洗い上がりの香りも良い。買って良かった。オーブンレンジは東芝のER-YD7000（石窯ドーム）を利用していて、せっかくなのでそのほかの家電も東芝で揃えようかなとも思ったが、体験が良すぎるがあまり日立に寝返る形になってしまった。（冷蔵庫も日立のものを選んでよかった）

忙しい社会人のみんなは、この洗濯機を買おう！

自転車

買い出しのストレスを軽減するために、電動自転車を買った。大量に買い込んだ荷物を、苦労なしで家に持ち帰れるのがすごくありがたい。特に引っ越し初期の頃はクーラーがない状態で、なおかつ猛暑の中徒歩で買い出しに行っていたので、身をもって自転車のありがたさを理解した。行動範囲も広くなったので、街を散策してみようとも思っている。どのモデルを買っても基本的に同じだが、走行距離の長さが魅力的だったので、ブリヂストンのアルベルトeを選んだ。用途によって最適なものが違うので、興味のある方は調べてみてほしい。本当におすすめ。

Mac Studioの行方

せっかく家を美しく整えたので、デスクの上も整えたくなった。気になっていたのがMac Studioで、色々な意味で存在感がある。どうにかしたい…と考えていた矢先にPREDUCTSというメーカーのアイデアを思い出し、机の裏に吊ることにした。

過程はどうあれ、新しい街に引っ越すのはやはり楽しい。ライフスタイルを変える契機になったりもするし、思わぬ変化が訪れたりもする。振り返った時の楽しみとして、ブログに細々と書いていこうと思う。